天野紺屋は「割建て」という藍染液の建て方をします。
藍の原料は「蒅(すくも)」という蓼という植物の葉を加工させたものを使いますが
その原料に1割ほどジーンズなどの染料であるインジゴピュアを入れて藍液を作っています。
たまに完全に天然材料のみを使用してますか?
というお問い合わせをいただきますが、9割ほどです。とお答えをしております。
藍染が天然の部分を求められている事は
この仕事をさせてもらっていて存じ上げています。
ただ僕が祖父から引き継いだ、
この染め方の、この染め色が僕は好きです。
昔、国の関係の方が来られ、
残り1割も蒅を原料としたら
人間国宝に推薦します。
と言われた時に、祖父は断ったそうです。
よく色がいいねと言われていた事を
嬉しそうに僕に話をしていました。
地域の文化としてある、この「割建て」の技法も知っていただけたらと思います。
ありがとうございます。
天野紺屋
天野尚